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先日、暑さの中、ヨシゴイの雛を撮影しようと3回、通った。初日は、昨年の苦い経験からいつもの400mmのレンズではなく、70−200mmに1.4倍のテレコンをつけて出掛けた。昨年、あまりに近すぎて、折角の給餌風景が入りきれなかったのである。ところが、今年は、状況が違っていた。出掛けた時間も遅かったので、ヨシゴイの出も今一つ。鳥との距離もあり、400mmを持参すれば良かったと後悔しきりであった。
2回目は、撮影場所の選択を誤り、折角のシーンを撮り損ねた。3回目、今日も残念と思って引き上げようとしたとき、すぐ目の前にヨシゴイが飛んできた。そして草かぶりであるが、何とか給餌シーンを撮影することが出来た。暑い夏の日の思い出のひとこまである。
昨日、今日と久しぶりに雨が降り、風もずいぶん吹いて、気温が下がり過ごしやすい。室温、34℃の日もあって、まさに猛暑だったが、今日の室温は、27℃。セミの鳴き声は、聞こえるが、夏から遠ざかっていくような感がある。と書きかけて外を見ると、いつの間にか太陽が顔を出している。久しぶりに田んぼの緑が見たくなり、近場を少し回ってみることにした。
相変わらず、田んぼは、緑、緑、また緑。なかなか休耕田が見つからない。やっと1か所休耕田が見つかり、そこにコチドリの姿が数羽見える。ハクセキレイの幼羽も1羽。尾を振り振り忙しそうに歩いているのは、イソシギ。珍しい鳥ではないが、ずいぶんイソシギの姿を見かけなかった。水のたっぷり入った田んぼの奥の方には、セイタカシギが1羽じっとしていた。渡りの鳥たちは、まだまだ姿が見えない。
水場にいると2羽の小鳥が飛んできた。スズメかなと思ったけれど、シャッターを押した。それが、シマキンパラだった。シマキンパラは、インド、中国、東南アジアに分布する鳥で、飼い鳥として輸入され野生化したものだという。
シマキンパラは、別名アミハラともいう。お腹のところが網目のようになっているからであろう。早朝、畑を回っているときにもシマキンパラに出会った。巣材運びをしているようで、一心に巣材を集めていた。今頃は、素敵なマイホームが完成していることであろう。
7月23日から7月29日までの鳥たちを思い出の鳥たちの宮古島とりどり旅行記 その2に掲載しました。
ミフウズラ。4年前に奄美大島を訪れたとき、初めてその鳥の名前を知った。早朝、サトウキビ畑を回ったが、♪ポォー ポォー ポォーという声を聞いただけで姿を見ることはなかった。
今回、宮古島を訪れるにあたり、もしかして出会えるかもしれないとの淡い期待があった。かなり警戒心が強い鳥と聞いていたので、姿を見られるだけでもと思っていた。
ミフウズラ。名前の通り、ウズラに体形が似ている。しかし、ウズラがキジ目であるのに対し、ミフウズラは、ツル目である。 そのミフウズラは、サトウキビ畑の隅の方や、時には、耕されて土くれだけの畑で見ることが出来た。
青葉・若葉の頃に飛来するアオバズク。いつも飛来を楽しみにしていたアオバズクが、今シーズンは、アクシデントがあり、残念ながら会えない。親切な方が、アオバズクが観察できるところを何か所か教えてくださったのだが、出掛けるのを躊躇しているうちに時期を逸してしまった。
今回、宮古島で奄美諸島以南に留鳥として分布するリュウキュウアオバズクに出会った。最初に出会ったのは、両親と雛2羽である。高い木の上にいて、私たちがレンズを向けても、動かずにじっとしている。私は、教えていただいてレンズを向けるだけなのだが、それでも撮影場所を変えるとアオバズクがどこにいるのかわからなくなってしまう。最初に鳥の存在に気づく人は、凄いなあといつも感心している。
リュウキュウアオバズクは、他にも2か所で観察することが出来た。九州以北に渡来するアオバズクは、夏鳥であり、例年楽しみにしているが、今年は、留鳥であるリュウキュウアオバズクをゆっくり観察する機会に恵まれた。
春の渡り、秋の渡り。出会いたい鳥のひとつが、ツバメチドリである。と、つい先日、とりどり日記に書いたばかりである。そのツバメチドリに今日、出会った。アオアシシギ3羽が、鳴きながら飛んで行った方角を探していると、わずかに水のある休耕田にコチドリが数羽休んでいる。そのすぐ近くにいたのが、ツバメチドリであった。全部で3羽。まだ飛来したてなのだろうか。時々、羽繕いするものの、あまり動かずにじっとしている。
ツバメチドリの親子に宮古島で出会ったばかりであるが、やはり近場のフィールドでの出会いは、嬉しいものである。
後頭部のぼさぼさの黒い冠羽、長くて大きな黄色の嘴。かなり遠いところにいるのだが、その特徴がファインダーを通して見えてきた。オオアジサシ。初めての出会いである。オオアジサシの傍にいるエリグロアジサシやベニアジサシが、とても小さく見える。一度は、会ってみたい。いつか会える日がと夢見ていたオオアジサシ。距離がありすぎるのが難点だが、あのぼさぼさの髪形は、ほのぼのとした気持ちと柔らかな風を運んでくれ宮古島の暑さをひととき忘れさせてくれた。
「キンバト」という鳥がいるということを知ったのは、3年前。アオバトやベニバトは、聞いたことがあり、その存在を知っていたが、キンバトとは一体どんな鳥だろう。金色に輝いているのかな?そう思って図鑑を調べたことがある。図鑑で調べると緑色の金属光沢のある綺麗な鳥である。いつかは会ってみたい。その思いが、今回の宮古島で実現した。
雨がほとんど降らない宮古島で、早朝、スプリンクラーで水撒きし、道路に出来た水溜り。その水溜りにキンバトが水飲みに姿を見せてくれた。キンバトの金属光沢のある緑色の何と綺麗だったことだろう。そして水飲みするときの姿の何と美しかったことだろう。会いたい鳥に出会えた瞬間の胸の高鳴りは、決して忘れることはない。
そろそろ秋の渡りが始まってくるころだろうか。春の渡り、秋の渡り。シギ・チを求めて田んぼ巡りをするとき、出会いたい鳥のひとつがツバメチドリである。稲敷方面で、いとも簡単に出会った人もいるし、柏周辺で出会ったという話も聞いている。しかし、私は、住まいの近くでは、なかなか出会うことがない。
初めてツバメチドリに出会ったのは、2006年7月に訪れた奄美大島の畑である。2年前に訪れた与那国島では、牧場に降り立ったツバメチドリに出会った。
今回、宮古島では、ツバメチドリの親子を間近に観察することが出来た。ツバメチドリの幼鳥いや雛と呼ぶべきだろうか。何とも可愛いその姿に心奪われた。ほんの一瞬であったが、親鳥が雛に給餌するシーンも見られたし、親鳥が必死で偽傷行為をする場面もあった。ツバメチドリの親子の愛。忘れられないひとこまである。
ムラサキサギ。何とも優雅で素敵なイメージが広がる名前である。紫という色から抱くイメージなのであろう。しかし、個人的には、ムラサキサギよりアオサギの方が、好感が持てるような気がする。
そのムラサキサギに初めて出会ったのは、2年前、石垣島を訪れたときのことである。頸の長さが、殊更印象深い鳥であった。そのムラサキサギが手賀沼にも現れたことがある。残念ながら私は、その時、観察出来なかったのだが、それから数日後、茨城県で観察することが出来た。
そして今回、宮古島の湿原で、子育て中のムラサキサギを観察することが出来た。かなり距離はあったが、暑さの中で、遠くのムラサキサギが、木にとまって休んだり、餌運びをしたりする姿をゆっくり観察することが出来た。これもまた、暑さと共に忘れられない思い出のひとこまである。
7月16日から7月22日までの鳥たちを思い出の鳥たちの宮古島とりどり旅行記 その1に掲載しました。
アオバトより少し大きく、全体にオリーブ色味が強い。日本では、留鳥として南西諸島に分布。「ズアカアオバト」を手元にある3冊の図鑑で調べると、共通してこのような表記がされている。ズアカというのだから頭部が赤いのだろうかと気になって、さらに調べてみると、台湾に分布するタイワンズアカアオバトは、頭上に赤味があり、それが種和名の由来になっているのだという。フィリピン産の亜種も頭部に赤味がある。しかし日本のズアカアオバトの頭部には、赤味がないのだという。
以前訪れたことのある奄美大島で初めて出会ったズアカアオバト。大磯の海岸で塩水を飲みに来るアオバトに、とても良く似ていると思ったが、あの時、ズアカが頭赤であるとは、考えてもみなかった。
今回、宮古島で一度は、枯れ木にとまり、もう一度は、水場に現れたところを観察することが出来た。水のみをしている姿を見て、ふと頭頂部が気になり、良く良く観察してみたのだが、どうも赤味がかって見えない。名前の由来を調べてみると、意外な発見があって面白い。
今日、暑さの中、久しぶりに田んぼめぐりをした。まだ秋の渡りには、早いと思ったが、もしかしての期待が少々あったからである。結果は、いわゆる休耕田が姿を消し、行けども行けども緑、緑、また緑の稲田である。その中で、やっと出会えたのが、ムナグロ10数羽、コチドリ、イソシギ、アマサギ、チュウサギ、ダイサギ、アオサギ、セッカ、カワラヒワ、ヒバリなどであった。
今日は、宮古島で出会った鳥の中からカラスバトをご紹介したい。
カラスバト。日本のハト類の中では、最も大きく、全体に黒っぽいので烏鳩と命名。羽毛は、青、緑、紫の光沢があり美しい。と山渓名前図鑑「野鳥の名前」にある。
そのカラスバトに初めて会ったのは、2006年7月に奄美大島を訪れたときのことである。確かに黒っぽくて大きかったが、頸の周辺の緑がかった光沢が印象的であった。次に出会ったのは、三宅島。距離はあったが、青い海原を背景に枯れた木にとまった姿が、今でもくっきり目に焼き付いている。
宮古島では、逆光であったが、ずいぶんゆっくり木にとまってくれた。今回は、黒くて大きいという印象が強かったカラスバト。名前の由来に妙に納得する出会いであった。
♪フィチイ フィチィ ホイホイホイ♪「月・日・星」と聞きなされる三光鳥。夏鳥のシーズンになると、一番会いたいのが、サンコウチョウである。今シーズン、杉林の中で出会ったが、なかなかすっきりしたところに現れてくれず、今一度、機会があればと願っていた。
宮古島で観察されるサンコウチョウは、亜種リュウキュウサンコウチョウであるが、比較的撮影しやすいと聞いていた。それならば、私でも長い尾をひらひらさせて飛ぶサンコウチョウの♂を撮影できるかもしれない。単純にそう考えていたのだが、現実は、なかなか思うようにはいかないものである。長い尾のサンコウチョウ♂を、とうとう私は一度も見ることがなかった。
水浴びに来るサンコウチョウ。何故か♀が多い。やっと現れたサンコウチョウの♂。尾は長くなかったけれど嬉しかった。
宮古島を訪れるにあたり、一番会いたかった鳥が、リュウキュウコノハズクである。以前、奄美大島を訪れたとき、ナイトウオッチングで♪コホォッ コホォッという鳴き声は、間近に聞くことが出来たのだが、とうとう姿を見ることの出来なかった鳥なのである。鳴き声だけではなく、姿も見たいという思いが、私の中でくすぶり続けていたリュウキュウコノハズク。宮古島では、昼間でも観察出来ると聞いて、心が躍った。
そのリュウキュウコノハズクを教えていただいて初めてファインダーに入れたときの嬉しさは、決して忘れることがないであろう。さらに嬉しいことに、宮古島滞在中に3個体のリュウキュウコノハズクを観察することが出来た。フクロウ科の鳥は、心惹かれるものであるが、初めての出会いというものは、殊更印象深く、宮古島の暑さを忘れさせてくれるほど新鮮で感動的であった。
初めて訪れた宮古島。一番印象に残っているのは、海の色である。4日間の滞在中、晴天に恵まれ、青空が広がっていた。その空の色を映して海は、エメラルドグリーンに輝いていた。あの海の色の美しさは、天からの授かりものだろうか。何とも形容しがたい美しさである。
そして、その海を飛ぶ白い鳥。それは、エリグロアジサシ。3年前、沖縄を訪れたとき、無念の思いをした鳥である。あのとき、目の前を飛んでくれたのだが、一瞬のことで、タイミングが合わず、撮影出来なかった鳥である。今回、宮古島に着いて最初に出会った鳥がエリグロアジサシであり、海の色と共に忘れられないものとなった。
珊瑚礁で出来た島、宮古島。一度は訪れてみたいと長い間憧れていた島である。野鳥に関心を持つようになって、その思いは、ますます強くなっていった。その思いが通じ、7月12日〜15日まで宮古島へ撮影の旅に出掛ける機会に恵まれた。それは、まさに恵まれたとしか言いようのない素晴らしい撮影旅行であった。宮古島で出会った鳥たちは、一つ一つゆっくりご紹介させていただきたくことにしたい。
リュウキュウアカショウビン。2006年7月に奄美大島を訪れたとき初めて出会ったことのある鳥である。あのとき、奄美空港から大瀬海岸に向かう途中であった。そのリュウキュウアカショウビンにもう一度会ってみたいと願っていたが、沖縄を訪れたときも、かすかに姿を見かけただけであった。奄美でほんの一瞬の出会いであったリュウキュウアカショウビン。紫色を帯びた姿が忘れられずにいた鳥。そのリュウキュウアカショウビンが、目の前の木にとまり、今回、宮古島でゆっくり撮影を楽しませてくれた。
うっそうと木々が茂り、昼間でも薄暗い水場。その水場にわずかしかない水。そのわずかの水溜りにリュウキュウアカショウビンは、水浴びにやってくる。木々の間をさっと飛んだ姿は、あまりに大きくて圧倒される。それほど鳥との距離が近かった。鳴き声もせず、実に静かに現れるのである。遠くでは、♪キョロロロロ キョロロロロ♪の声がするが、水浴びにやってくるとき、その声を聞かせてくれることはなかった。時折、上空を飛行機が飛ぶ。その音に反応してアカショウビンが辺りの様子を伺うように上空を見上げる姿は、可愛らしく微笑ましくて忘れられないものとなった。
ツバメの思い出をいくつかご紹介させていただいたので、もうひとつ今回は、ヒメアマツバメ。昨年、その姿さえ、はっきり見ることが出来なかったすばしっこい鳥である。ビューンと飛んできていきなり巣の中に飛び込むのである。
今年も会えるかなという淡い気持ちで出掛けたのだが、何と「ジュリリリリ」という声と一緒に、7〜8羽のヒメアマツバメが、いきなり飛んできたのには、少なからず驚いた。そして「ジュリリリリ」と鳴きながら辺りを旋回している。何とか1枚カメラに収めようと悪戦苦闘するが、ファインダーにその姿を入れられない。私のすぐ後から来られた女性が、カシャカシャカシャカシャと何枚も何枚も連写している。私の気持ちは焦るばかり。とうとう青空のヒメアマツバメは、1枚も撮影出来なかった。
後で、その女性に使用機材をお聞きすると、マクロレンズだとのこと。「今度いらっしゃるときは、短いレンズでどうぞ。」とのアドバイス。なるほどなるほど。ヒメアマツバメの思い出のひとこまである。
北海道で出会ったもう一つの鳥。それはアマツバメ。天売島の赤岩展望台で元気いっぱい飛び回るアマツバメの姿を見かけた。そして、その翌日の朝、探鳥しているとき、今度は、アマツバメが空中で交尾する瞬間も観察することが出来た。
今まで、アマツバメに出会う機会は、何度かあったが、その速さゆえに、レンズを向ける気持ちになれなかった。そして今回、思い切ってレンズを向けてみると、意外な発見があった。お腹の部分が、まるでサメ肌のように見えるのだった。図鑑を見れば、確かにそのような写真も掲載されている。しかし今まで、腰の部分の白いところが印象が強く、お腹の部分には、目がいかなかった。そして目の近くに白い飾り羽のようなものまで写っている。
思い切ってレンズを向けるのも、一つの観察方法かもしれない。
今までコムクドリに出会う機会は、あまりなかったのだが、今年は、何故かコムクドリとの出会いが多い。一番嬉しかったのは、身近なフィールドである手賀沼湖畔で出会えたことである。芽吹きの季節だったので、ことさら嬉しかった。
初夏の戸隠でも出会った。水芭蕉の緑の葉蔭に出たり入ったり、新芽の出た若い木にとまったり、♂も♀も比較的近い距離で、ゆっくり観察することが出来た。
4月の手賀沼、5月の戸隠、そして6月には、北海道でコムクドリに出会った。そのコムクドリは、子育て中で、口いっぱいに毛虫をくわえていた。その姿は、まるでウトウが雛のために口いっぱいにお魚をくわえて帰巣する姿に似ていて、胸が痛くなった。そのコムクドリが、一瞬、緑の葉蔭に姿が見えなくなったが、次に姿を見せたときには、口元は、すっきりしていた。そして食欲旺盛な雛のために、すぐにまた飛び立っていった。
「コシアカツバメ」昨年の6月2日に初めて出会った。一度は会いたいと願っていた鳥だったので、会えた瞬間の感激は、今でもはっきり覚えている。「ジュビッ ジュビッ」「ジュビッ ジュビッ」そう鳴きながら飛んできて電線にとまった。あのとき、何羽も姿を見かけた。
今年も会いたくなって、6月の半ばに出掛けた。しかし、全くその気配がない。ツバメは、1羽飛んできて、近くの竹竿にとまった。そのツバメを数枚、カメラに収め、付近を散歩することにした。電線にとまっているのは、どれもツバメである。しばらくして、元の所に戻ってみると、さっと1羽の鳥が飛んできた。コシアカツバメ!今年も会えた!1か月前の思い出のひとこまである。
ツバメの巣材運びを観察していると、「キャッキャッ」とまるで幼子が戯れるような声が聞こえてきた。何だろう?といぶかしげに辺りを見渡すと、スズメが2羽、もつれあっている。時には、1羽が飛びあがって、もう一方のスズメに蹴りを入れる。よくよく見れば、まだ幼いスズメである。どんな事情で、このようなことをするのか、スズメ社会も人の世も、どうやら変わりないらしい。
九十九里浜では、4羽のオオソリハシシギにも出会った。10日ほど前に訪れたときには、2羽のオオソリハシシギと1羽のオバシギが仲良く採餌する姿を見ることが出来たのだが、この日は、オバシギの姿を見ることは、なかった。
寄せては返す波打ち際で、4羽のオオソリハシシギは、わき目も振らず、熱心に採餌していた。余程空腹であったのだろうか。三番瀬では、もう秋の渡りが始まったと聞いている。九十九里浜でも、潮風にのって、色々なシギの姿が見られるかもしれない。また近いうちに、アジサシやシギを求めて訪ねてみよう。
昨日出掛けた九十九里浜で、クロハラアジサシにも出会った。たくさんのコアジサシとアジサシの群れの中に、1羽のクロハラアジサシを見つけたときは、嬉しかった。ときどき、出掛ける印旛沼で、クロハラアジサシを見かけるが、いつも飛んでいる姿ばかり。その上、葦原を隔てて、飛んでいる姿を観察するので、距離があり、じっくり落ち着いて、その姿を見ることは、なかなか難しい。昨日は、砂浜に降りたクロハラアジサシを比較的近くで観察することが出来、撮影も楽しむことが出来た。砂浜での出会いに感謝。
夏の暑さを感じるようになると、アジサシのシーズンの到来である。アジサシに関心はあるものの、何分にも暑いさなか、砂浜をアジサシを求めて歩くのは、なかなか体力のいることである。先日、ベニアジサシに出会ったときは、暑さもまだ本格的ではなかったので、教えていただきながら、あっさりご対面となった。
今日は、ハジロクロハラアジサシに会いたくて九十九里浜まで出掛けた。コアジサシは、たくさん飛んでいて、「青空にコアジサシ」の姿をずいぶん楽しませてくれた。スコープの方と並んで遠くのコアジサシの群れを眺めるが、何分にも距離があり、もやっていて、しばらく眺めていると頭がくらくらしてきた。クロハラアジサシは、何とか見つけることが出来たので、引き上げることにした。
コアジサシを眺めながら、引き返そうとしたとき、砂浜のコアジサシの群れの中に、頭の真っ黒なアジサシが目に入った。ハジロクロハラアジサシ!6年前に谷津干潟で、出会って以来である。暑さも忘れ、嬉しさが込み上げてきた。
今日は、七夕。折角の七夕が雨になり、天の川を見ることが出来ないが、織姫と彦星は、今年も出会えたのだろうか。7月7日に雨が降れば、天の川の水かさが増し、織姫は、向こう岸に渡れなくなってしまう。一年に一度の逢瀬を待ちわびている二人には、何とも酷な話である。しかし、その二人を見かねてカササギの群れが、どこからともなく飛んできて、天の川に翼と翼を広げ、織姫が牽牛のもとへ渡れる手助けをするという。鳥に関心を持つようになり、この話は、ことさら興味深い。
ところで、今年は、例年になく寒い春を過ごし、鳥たちの繁殖時期が、ずいぶん遅れているようである。先日、訪れた北海道でも、ウトウの半数以上が、まだ抱卵しているとの話であった。数日前、田んぼめぐりをしていて、キジの親子に出会ったが、例年なら、もっと早い時期に見かけることが多い。稲の緑が爽やかな田んぼで出会ったキジの雛は、母鳥の周りを楽しそうに飛び跳ねていた。それは、のどかで平和な光景であった。
春先、近くの公園を散歩していると、スィーと飛んでいる鳥を見かけることがある。ああ、もうこんな季節になったんだなあ!そう感じさせてくれる鳥。季節を感じさせ春の訪れを告げてくれる鳥。それは、ツバメ。
田んぼの稲が、日毎に青さを増してくるころ、ツバメは、熱心に巣作りを始める。道端に落ちている小さな藁のようなものをくわえ、次に水溜りなどで濡れた土を集めて、何度も何度も、この動作を繰り返す。
先日、道の駅で休んでいると、ツバメがスズメを猛烈な勢いで追いかけていた。どうやらスズメがツバメの巣を横取りしようとしたらしい。スズメがツバメの巣を奪ったり、ツバメがツバメの巣を横取りすることは、よくあることらしい。
秋風が吹き、南の国に帰るころまで、ツバメたちの子育ては、まだまだ続く。
♪ズビャーク ズビャーク ザザザザザ♪言わずと知れたオオジシギの声であり、羽音である。近くの田んぼで夏になると出会うこともあるが、その時には、声も出さず、これが本当にオオジシギなのか、あるいはチュウジシギかタシギではないかと散々悩むのが常である。
オオジシギのディスプレイフライトや木にとまったところが見たくて、裏磐梯に何度か出掛けたが、一度もチャンスに恵まれず、2年前の6月に北海道を訪れたとき、初めて、オオジシギのディスプレイフライトを見ることが出来た。
今回、サロベツ原生花園で、ディスプレイフライトもたっぷり見られたし、看板にとまったオオジシギ、草むらで休息するオオジシギ、水浴びするオオジシギなど様々な姿を観察する機会に恵まれた。チュウジシギやタシギではないかと悩むこともなく、このオオジシギとの出会いは、嬉しく心に残る思い出となっている。
6月30日から7月5日までの鳥たちを思い出の鳥たちの初夏の北海道2に掲載しました。
北海道を代表する野鳥のひとつが、ノゴマではないだろうか。渡り途中、東京近郊の公園などで見られることもあるが、やはりノゴマから思い描く風景は、シシウドやイタドリやハマナスなどの北海道ならではの光景である。
天売島は、海鳥の繁殖地として知られているが、ノゴマの個体数も多いと今回、初めて知った。♪チョイチョイ チュィ チュウィー チー チリ チリ♪天売島に到着して間もなく、イタドリの上でさえずるノゴマの姿を見かけた。千鳥ヶ浦の海鳥観察舎近くでは、このノゴマの声をずいぶん聞いたし、姿もちらほら見かけた。原生花園で見かけるノゴマとは、また異なったイメージで、緑の中でさえずるノゴマの姿に、しばし足をとめ、その美声に耳を傾けたのも今回の旅の思い出のひとこまである。
夜のウトウ帰巣ウォッチングを終えた後、海の宇宙館で映像を見ながら寺沢孝毅氏のお話を伺うことが出来たことも、今回の旅の思い出となっている。
翌22日は、最終日である。早朝5時に観光船が出港。昨日、遠くに見たウミスズメを比較的近くに見ることが出来た。ウミスズメは、銚子で、潜水する姿など、かなり間近に見たことはあるのだが、群れで見たことはなかったので、新鮮な思いでウミスズメの姿を観察することが出来た。
残念だったのは、霧の発生のため、ウミガラスのポイントである岬まで行くことが出来なかったことである。♪オロローン♪せめてその声だけでも、波間に聞こえてこないかと耳を澄ませたが、それは、はかない夢であった。
足の赤いケイマフリ。目の周りと嘴の基部の白さが印象的な鳥である。2年前の春、銚子港で出会ったウミバトも足が赤くて可愛らしかった。あの時、ウミバトを観察していると、ケイマフリに似ていると教えてくださった方があった。あの当時、海の鳥には、ほとんど関心がなかったので、ウミバトそのものが珍しい鳥であるということも知らずに撮影したものであった。
天売島に向かう航路の途中でケイマフリを見かけたが、22日の早朝5時出港の観光船から、かなり近くにいるケイマフリ数羽の群れを観察することが出来た。波が比較的、静かだったとはいえ、やはり船上での撮影は、難しい。あれほど近くにケイマフリの可愛い姿を見ながら、写真は、涙が出るほどブレブレのものばかり。
今度は、岩場にいるケイマフリの姿を写真に収める機会が巡ってくることを願っている。
今回、初夏の北海道を訪れるにあたり、一番、期待の大きかったのは、天売島である。まだ見ぬ土地への憧れと、何よりウトウの帰巣風景をこの目で見ておきたいとの願望があったからである。
天売島での夕食は、海の幸が盛りだくさん。特にウニ、アワビは絶品。カニの姿が霞んでしまうほどの料理の数々。ゆっくり味わいたいが、夕刻からの予定の時間が迫っており、慌ただしく贅沢な夕食を済ませ、観光バスに乗り、ウトウウオッチングの赤岩展望台へと向かう。
正直申せば、魚を口いっぱい咥えて巣に戻って来たときのウトウの写真は、あまり好きにはなれなかった。私の眼には、親の愛情というより、グロテスクな光景を見ているという印象の方が強かったのである。
夕景の中、ウトウが群れとなって帰巣するシーン。その光景こそみたいと願っていた。しかし、あいにく、その日は、夕日がなく、写真で良く見かける夕景の中のウトウの帰巣シーンを見ることは、不可能であった。その代わり、ウトウの帰巣時間が早くなり、オオイタドリの下にあるウトウの巣に時速60キロというスピードで飛び込んでいく姿には、すっかり心を奪われてしまった。今まであまり好きではなかったウトウを愛しいと思えるようになったのも、今回の旅の大きな収穫であった。
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